子どもたちがねらわれた事件


5月28日(火)の朝、神奈川県川崎市の路上で19人を殺傷し、その後自分を刺して死亡した容疑者。

被害にあわれた方々には、今はかける言葉も見つかりません。
願わくば、いつか少しでも穏やかな時間が持てることを祈っています。


ネット上では、容疑者が最終的に自殺を選んだためか「死にたいのなら、他者を巻き込まずに自分ひとりで死ぬべき」という旨のつぶやきが、あちらこちらで見られます。

それに対して、そのような発言は控えてほしいという呼びかけもあります。

それは、このような事件を起こす人たちは社会に対する恨みを募らせており、そのような人たちに「ひとりで…」と言うことは、「やはり社会はこんなつらい自分に何もしてくれない」と思わせ、それが次の事件につながってしまうから、ということのようです。

それに対してまた、「起きてしまった事件の被害者のことを考えれば、『ひとりで…』と思うのも当然ではないか」という反論も見られます。


わたし個人としては、自殺の是非はひとまず置いておいて語れるとしたら、「どうせならひとりで」と思います。
他者を巻き込んでいい理由などありません。

それに、「ひとりで…」という言葉は、「あなたは今すぐひとりで死ぬべき」と自殺を促しているのではなく、「他者を巻き込んではいけない」と、つまり「犯罪はいけない」と言っているのではないでしょうか。

「社会はあなたに何もしてあげないよ」と言っているのではなく、「この社会は、犯罪を認めてはいないんだよ」と伝えているのだと思うのです。


もちろん過度なあおりや攻撃とも思えるような非難は、すべきではありません。

それは、「社会に対する恨みを募らせている人」を刺激しないためではなく、人としての当然のマナーのようなものです。
相手の権利を侵害しない形での発信を心がけるのは、当たり前のことだと思います。


わたしが一番分からないのは、「社会に対する恨みがある」ということと、「犯罪を犯す」ということとのつながりです。
しかも、自分より弱者をねらうやり方です。


今回の事件の加害者が、社会に対する恨みを募らせていたかどうかはまだ分かっていません。
無差別に殺傷したのか、それとも何らかの事情で被害者を選んでいたのかも分かっていません。

ですから、無差別殺傷事件かもしれないということは、可能性の1つです。


そう考えたとき、加害者は多くの子どもを傷つけています。
相手がおとなの場合は、背後から刺しています。

それは「社会に対する恨みを募らせていた」からの行動でしょうか。
そこに関連性はあるのでしょうか。

本当に社会に対する恨みで犯罪を犯すのなら、その人はたとえば国会議事堂などで暴れたり、マスコミなどをターゲットにしたりしても不思議ではありません。

しかも、子どもたちは今のこの社会を作っているわけではなく、これからの社会を作っていく存在です。

「社会に対する恨みを募らせていた」とき、その子どもたちに刃物を向ける意味が、どうしてもわたしには分かりません。

そこには、「社会に対する恨み」以外の何かが働いているのではないでしょうか。


わたしたちウィズでは、「怒り」が暴力を起こすのではないとよく話しています。
同じように「恨み」が犯罪を起こすのでもないと思うのです。

「怒り」にしろ「恨み」にしろ、「自分はこんなにつらいのだから、何をしても許されるはず」という甘えや特権意識が、暴力や犯罪を起こしてしまうのだと思います。

どんなにつらくても、相手を攻撃していい理由にはならないのです。
「つらいから助けて」「つらいから手伝って」と発信していくしかないのです。

「もう誰も信じられない」と思ったとしても、暴力や犯罪は許されません。

ときに被害者は「もう誰も信じられない」という心境に陥ります。
ですが、それを理由に誰かに攻撃を仕掛ければ、加害者となってしまうのです。
そして多くの被害者は、そのようなことはしません。


無差別殺傷事件だとしても、多くの暴力と同じように、相手が自分よりも弱いと思い、自分の攻撃が有効だと思うからこそ、その人を対象に選んだのだと思います。

加害者が犯罪を犯すにいたる背景にはさまざまなものがあり、おそらく多くのことが重なって彼はこの事件を起こしたのでしょう。

あくまでも「彼が事件を起こした」のであり、「社会が彼に事件を起こさせた」わけではない(背景としてはあるとしても)ということを、忘れないでもらいたいと思います。


この事件では、加害者本人から直接はもう何も聞けないため、全体像が分かるのにより多くの時間を必要とすることと思います。
今後の展開を待ちたいと思います。

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