DVと怒りとの関係


少し前の話になります。
ある歌手グループの一人(A)が交際していた女性にDVをふるっていたことが発覚し、彼は芸能界を引退しました。
引退は当然のことだったと思います。

その後、彼を除くグループのメンバーが会見を開きました。
そのときのリーダーの言葉に少し違和感を覚えたので、ここに書いておこうと思います。

彼は、会見の中でこのように話しています。

(Aは)確かに、よく食べ、よく笑い、よく寝る、よく怒る、そういう喜怒哀楽の部分でひと一倍、奥ゆかしい感じではなくね、「うまっ!」「うまい」とかね、リアクションがはやいですよね。それが怒ることに関してもリアクションがはやい。自分の中で、一旦心に置くこと、間を作ることが出来ないっていうキャラクターだったのかなって(略)

もちろんそう話した人は、それがAのDVの原因だとは言っていません。

それでも、AのDVの話をしていてのこの発言は、「怒りのリアクションがはやいからDVをふるってしまったのではないか」という主張にわたしには聞こえました。

わたしたちウィズでは、DVなどの暴力は怒りの暴走などではなく、怒りを言い訳にした支配だととらえています。
暴力は、怒りのコントロールができなかった結果ではなく、支配欲や特権意識からくるものなのです。

他者を支配したいという、ある意味傲慢な思いを手放さずして、暴力をやめることはできません。

加害者は怒りのコントロールができないのではなく、ある特定の人(支配したい人、支配してもいいと思っている人)にだけコントロールをせずに、むしろそれを言い訳にして暴力をふるうのです。

その証拠に、加害者はすべての人に対して暴力をふるうわけではありません。
自分が支配できるとは思えない相手には、きちんと自分をコントロールし、暴力などふるわないようにします。

支配できると思える相手にだけ、暴力をふるい、支配していくのです。

ですから、暴力の原因や要因が怒りのコントロールができないからだという考え方は、しないでもらえたらと思います。

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